どうも部員Xです。
下水道ニュースレビューやっていきたいと思います。東日本大震災から丸9年なので、今回はそれに関わるニュース中心に下水道業界人目線でレビューをしていきたいと思います。
過去のレビューは下記。
今回取り上げるニュースは下記です。
①津波被災地の8割、「内水氾濫」未想定 ハード優先で遅れ 東日本大震災9年
(最終更新:3/11(水) 3:00毎日新聞)
②防潮堤で集落が冠水 住民は危険を訴えるも「防潮堤ありき」で計画進んだ〈AERA〉
最終更新:3/11(水) 8:00AERA dot.
ではやっていきます。
津波被災地の8割、「内水氾濫」未想定 ハード優先で遅れ 東日本大震災9年 (最終更新:3/11(水) 3:00毎日新聞)
東日本大震災の津波で被災した岩手、宮城、福島3県の沿岸37市町村のうち、8割超の30市町村が、豪雨を処理し切れずに水路や中小河川の水があふれ出す「内水氾濫」を想定したハザードマップを作成していない。2019年10月の台風19号では復興事業で建設された一部の堤防周辺で内水氾濫が起き、堤防が水をせき止める要因の一つになったとの指摘がある。津波対策に主眼を置いてきた震災被災地だが、気候変動に伴う豪雨による「内水」対策も講じなければならない状況となっている。
(中略)
被災3県では27市町村のうち、半数に当たる14市町村が未作成・未公表で、全国と比べても作成が進んでいない。
津波被災地の8割、「内水氾濫」未想定 ハード優先で遅れ 東日本大震災9年 | 毎日新聞東日本大震災の津波で被災した岩手、宮城、福島3県の沿岸37市町村のうち、8割超の31市町村が、豪雨を処理し切れずに水路や中小河川の水があふれ出す「内水氾濫」を想定したハザードマップを作成していない。2019年10月の台風19号では復興事業で建設された一部の堤防周辺で内水氾濫が起き、堤防が水をせき止https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200311-00000001-mai-soci
昨年は内水氾濫って言葉がわりと定着した年でしたね。武蔵小杉の被害がニュースバリューあったので話題になりましたが、東北の被災3県(岩手、宮城、福島)では内水氾濫ハザードマップの整備が遅れているというニュースです(次のニュースも内容は近いです)。
ハード優先とありますが、ここで言うハードは防潮堤や河川堤防のことを言っていると思います。内水氾濫への対処も基本的にはハードです(ポンプ場とか雨水排除の管渠)。ソフトということでハザードマップのことを言っていますね。
なぜ内水氾濫ハザードマップの整備が進まないのか。
この結果、「作成していない」と答えたのは、山田町や石巻市など30市町村。理由について選択式の複数回答で尋ねたところ、「作成に多額の費用がかかる」が9▽「震災のハード整備終了後に着手」が8▽「過去に大きな浸水被害にあったことがなかった」が4――だった。
とありますが、ハザードマップ自体の作成にはたしかに費用がかかることは間違いないんですけど、実際は「その後のこと」(ハザードマップを作ったあとのこと)も考えているのでは、と推測します。
結論的には、「金が無い」です。
ハザードマップを整備すると、明確に被害が出るエリアがわかり、行政としてはそれにたいして何らかの措置をする必要があるわけです。で、その措置は何かというと、移住させるかポンプ場を作るかの二択で、前者は日本の法律的になかなか難しいですから、後者の選択を取るわけです。
ポンプ場を作るのは・・・金がかかるわけです。完成後の適切な維持管理も考えると・・・。小さな自治体では財政負担が厳しい。
防潮堤などについては復興事業(ほぼ国の負担でできる)わけですが、「震災による地盤沈下」などの理由がない場合は別のスキームでのポンプ場建設なので、その場合は地方自治体側の負担も大きくなります。
この辺が、下手にハザードマップを整備できない理由かもしれません。
それと、もう一点、内水氾濫ハザードマップを整備することのデメリットは地価へ影響が大きいことです。
外水氾濫は原則、「川の近く」が被害を受けるわけですが、内水氾濫の場合は川の近くではない場所も被害想定される場合があります(雨水を流す管のキャパが足りなければ、どこでも氾濫する)。
そのため、地価の算定(固定資産税の算定、不動産価格)が下がる地域が増えるわけです。これは正直、自治体にとってはあまりいいことではないですよね。住んでいる人も不動産を担保にお金を借りてたりする場合もありますし。不動産屋さんも・・・困りますよね(内水氾濫する地区に家売っちゃってたら・・・ね)。
内水氾濫ハザードマップの整備、案外難しい、そんな話ですね(作ってないからと言って単純に行政に苦言してもダメ)。
防潮堤で集落が冠水 住民は危険を訴えるも「防潮堤ありき」で計画進んだ〈AERA〉最終更新:3/11(水) 8:00 AERA dot.
東日本大震災後、復興工事として昨年8月に完成した防潮堤。だが、昨年の台風19号により、宮城県石巻市の牡鹿(おしか)半島にある小集落、蛤浜(はまぐりはま)では、昨年秋の台風19号で排水路が機能せず、防潮堤が水をせき止めて集落の平地一帯が冠水した。AERA 2020年3月16日号から。
これも最初のニュースと同じ種類の話なのですが、防潮堤を作ったがゆえに、内水氾濫を起こして道が通れなく成ってしまったという話です。
結論から言うと、この状況で、津波及び内水氾濫の被害を受けたくない場合は、引っ越しするか、家を建て替えるときに嵩上げをする、もしくは排水ポンプ場を整備する。この3つになります。
ハード的に完璧を求めると、やっぱカネがかかる。
被災した沿岸自治体の多くが採った対策は、防潮堤を作ること。これには賛否いろいろあると思いますが、完全な間違いではないと私は思います。「海沿いに住んでもいいけど、行政サービスは完全に無いからね」って言えないですもん。個々の最適化を目指すと、全体が最適化されない、逆もしかり。住民も行政も互いに我慢して我慢してやっていくしか無い。
高台に集団移転というアイデアももちろんあると思います。その場合は、新しい産業を作らないとです。それもそう簡単にはできない。
難しいです、過疎地の復興は。
仮に、津波高潮内水氾濫に対して完璧な地区を整備したとしても、今の東北に、人が住むのか・・・と(在宅ワークで稼ぎがすごい人を集める街、とか面白そうですけど)。
復興に携わる人として、けっこうモヤモヤすることがあるんだよなぁ、正直。
ってことで、今回は以上です。
ではまた。
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