【自然災害に備える】下水道業界人が考える「家を建てる場所」について【水の流れでみる】

浸水リスク下水道関係

どうも部員です。

台風19号すごい雨ですね。
大きな被害が出なければいいんですけどね。

 

さて、最近は大きな自然災害が毎年のように発生してます。
先の台風15号では強風で大きな被害が出ましたし、去年一昨年は西日本で大雨による大きな被害が出てます。

 

地震はわざわざ書かなくても・・・。多いですよねぇホント。

 

自然災害は道路や鉄道をはじめとしたインフラへの被害も甚大ですが、住宅への被害もかなり大きい。

 

住宅ってのは普通の人(普通って難しいですけど、まぁリーマンを想定)が購入する買い物では断トツで高いものですし、これがぶっ壊れたり水浸しになると「住む場所」がなくなるわけですから、雨風すら防げない状況になると。

 

ってことは、極力、自然災害による住宅への被害を減らそうと考えるのは当たり前のこと。

 

今回は私の下水道業界人としての経験から得た知見を元にした、「住宅を建てるのに適した場所」とは?を考えてみたいと思います。

 

結論から言うと

・地形をみる
→水の中の流れをみる
・地盤をみる
→その土地の変遷をみる
・インフラの整備状況をみる
→各種の計画があるのか、予算がついているのか
・自治体の体制を見る
→予算だけでなく、どの領域に力を入れているのか
・とりあえずハザードマップをみよう
では詳しく考えていきましょう!
今回の記事では「地形を見る」について書いて行きます!!

検討の前提

※自然災害の種類は

・地震
→揺れによる被害、地盤沈下、液状化など
・大雨
→浸水
・強風
→強風によるインフラへの被害、住宅への直接被害
・大雪
→大雪によるインフラへの被害、住宅への直接被害
とします。

※住宅は一般的な木造戸建て住宅とします。

地形をみる

まずはハザードマップをみるっ!!
ぶっちゃけこれで大体は回避できるかも。

 

が、行政の出すハザードマップは本当にすべてのリスクが書いてないことが正直あると思ってます。なぜなら、ハザードマップでヤバい場所って当然地価が下がるので・・・(略

 

なので、ある程度は自分で情報収集してハザードマップに追加するファクターを選んでいく必要があると思います。

 

では具体の話にいきます。

すっごく当たり前の話をしますが、お許しを。

山の近くは危険

当たり前のことかもしれませんが、山の近くは危険です。

 

・地震による地滑り、崩落とそれによるインフラへの被害
・大雨による地滑り、土砂崩れとそれによるインフラへの被害

 

山の近くは積極的に住宅を建てるべきではないでしょう。

また、「もともとは山や丘」などの斜面も平地に比べれば危険です。

 

川の近くは危険

これも当たり前のことかもしれませんが、川の近くは危険です。

 

・地震による堤防の決壊
・大雨による堤防の決壊とそれによる浸水

 

大きな川だけでなく、用水路や街中を流れる排水路なども要注意ですね。当然、近いほうが危険です。

排水ポンプ場がどこにあるかも見ておきましょう。
これは別項で詳しく説明します。

 

水は高いほうから低いほうへ流れる

これまた、当たり前のことなんですけど、けっこう奥が深いことなんです。
この辺から下水道業界人らしいことを書いて行きます。

 

一見フラットに見える道路でも、わずかに勾配があり、水は一方向へ流れていきます。

 

その土地(建てる候補地)の水がどこに流れるのか・・・を調べてみるとイイと思います。

 

一般的に家に降った雨水は

①道路上のL字側溝を流れ、道路下の排水溝へ落ちます
②道路下の排水溝から川に直接流れるor幹線管渠へ流れます
③幹線管渠から川へ流れるor雨水ポンプ場へ流れます
④雨水ポンプ場へ流れた雨水はポンプアップされ、川へ流れます

 

これが一般的な雨水排除です。
※土壌浸透もありますが、ここでは考えないこととします。

 

①~③までは自然流下で流れます。それが一番経済的だからです。

 

なので、雨水ポンプ場には自然に水が集まってくる。

 

ってことは、雨水ポンプ場は一般的には低い土地にあるわけです。
まぁポンプ場のポンプ井(水をためる槽)をめっちゃ深くすればいいんですけど、それは経済的ではないので、普通は低い土地に雨水ポンプ場はあります。

 

ここまで書けばわかると思いますが、雨水ポンプ場のそばに住むことはオススメしません。雨水ポンプ場は川沿いにあることが多いので、先に書いた川の近くは危険、って話と同じですね。

 

で、その雨水ポンプ場の集水エリア(そのポンプ場が担当するエリア)で一番浸水しずらいのは水の流れの始まる所です。

住宅地の雨水排水の流れは普通は下の図(自作です( ー`дー´)キリッ)のようになります。

 

住宅地の水の流れ

ある程度深いところ排水溝(水色の矢印がある管)が入っていて、各戸の前にL字側溝(濃い青の管)が走っています。
L字側溝でず~と道路面を走らせると道路の勾配がきつくなるので、断面でみるとノコギリ型になるんです。
で、排水溝もある程度流れると、太い管渠にぶつかり、幹線管渠につながる、と。

ということは、浸水被害が低い可能性の高い場所はこの図だと一番左の家になります。

 

が、その集水エリアで一番浸水リスクが低いからといって安心してはダメで、雨水ポンプ場との関係を見なければいけません。

 

ポンプ場には複数の集水エリアがあり、その中でも浸水しやすいしにくいがあり、一般的には下流側の方が浸水リスクが高いです。

 

図で書くとこんな感じです(自作です( ー`дー´)キリッ)。

浸水リスク

少し丘になってるとか、台地の上とかはやっぱ安全です。
※丘、台地も土地の成り立ちを見ないとダメですけど(後述)。

まとめると、

・雨水ポンプ場の場所を見る
・その土地の水の流れを見る
・集水エリアを見る

この辺の情報は、不動産屋さんは教えてくれないかもしれないので、自治体の都市計画系の窓口か、下水道課に凸りましょうw

丁寧に教えてくれると思います。
※凸るといいましたが、事前に電話して、担当者にアポイントを取りましょう。

で、自治体の下水道課の職員の方にこう質問しましょう!

「○○さんならどこに家を建てますか(建てたくないですか)?」

これでOKです(たぶん、言いにくいから裏でこっそりとか、メモを渡した方がいいかもw)。

 

 

え~ちょっと記事のボリュームが多いので、他のファクターについてはまた後日別の記事で書きます。

すみません。

 

あ、あと私は賃貸派ですw

すくなくとも現役で働いている間は。

 

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