下水道は大きく分けて、管渠と処理場(とポンプ場)に大別できるという
話を以下の記事で行いましたが、ここでは処理場に注目して行きます。
「下水処理場を作る」そのためにはどのような職種の人が
必要で、それぞれどのような仕事をしているのか。
それを説明して行きたいと思います。
※基本的に技術系の話をします。
もちろん事務系の仕事もありますが、メインは技術系です。
学生のターゲットとしては、
・土木工学科
・建築学科
・機械工学科
・電気工学科
が中心です。でも、正直入ってから覚えることが圧倒的に
多いので、理系ならあんまり関係ないかなと思います。
さっそくですが
下水道業界(というか工事をするにあたっての)の職種は以下の
6つになります。
①土木
②建築
③建築機械
④建築電気
⑤機械
⑥電気
それぞれについてざっくり説明します。
今回は機械。
下水道施設を作る6職種 ③機械
機械職種の概要
機械職についての概要を説明します。
みなさんがイメージする一般な「機械」はクルマとかロボット、エンジンとかのイメージだと思います。
下水道業界での機械職種の担当範囲は「目で見える機械的な動作をする工作物」という説明が一番早いでしょうか。
ざっくり機械職がすることをいうと
・土木建築が作った躯体に機械(ポンプ等)を据え付けます
・主に電気と連携して機械が正しく動くよう(機能を発揮する)に調整します。
これが基本的な機械職の仕事。
具体的な施工方法とか、作業内容とかは今回は書きません(内容が多すぎるのでw)
機械設計は与えられた条件(水処理汚泥処理の要求仕様と土建躯体の大きさ、環境関係の法律など)から機械の容量を計算し、機種を選定します。
また、施工方法を考えて、図面にします。
そこから数量を拾い、発注仕様をまとめます。これが設計成果品。
機械施工は設計成果品から実際に機械を製作し、現場に据付けること。
下水道業界における機械職の特徴
設計の話
土木が自然を、建築が法律や条例を相手に仕事をするのが特徴、と説明しましたが
機械のメインの相手は水や空気、汚泥などの流体です。
これらの流体を揚げる、圧縮する、燃やす、送るなどのハンドリングを
することでプラントとしての機能を土建躯体に付加する、ってのがしっくりきます。
機械設計での苦労はやはり機器の選定でしょうか。
例えば
水を「揚げる」「送る」ための機械って、「ああ、ポンプね」と
まぁ下水をしらない普通の人でもわかると思うのですが、ポンプと一言
いっても、様々な種類があるわけです。
・渦巻ポンプ
・斜流ポンプ
・スクリューポンプ
・
・
などなど。
設計対象の処理場・ポンプ場の立地や送水先までの距離など
からポンプの選定をします。また、環境条件なども考慮する必要があり、
ポンプ自体の材質なども選定する必要があります。
細かく説明するとキリがないので、今後そういうページを作ろうと
思います(頑張れ俺)。
また、使い勝手やメンテナンス性も設計段階でしっかり考えなければ行けない要素です。
クルマに例えると、街乗りで使うクルマにレーシングエンジン積んだら
下のトルクスカスカでエンストしまくるとか、専用のエンジンオイルを
3000kmですぐ交換しなきゃとか、性能はいいけど使い勝手も維持管理コストも
悪くちゃ話にならないですからね。
下水処理場は機械設備が花形?
下水処理場は「汚水をきれいにする」というプラントですから、
機械設備がやっぱ花形だと思うんですよね。実際に下水処理場には機械設備が目白押しですから。
少し具体的にいうと
汚水処理をするときって、水や空気、汚泥を動かす必要があるんですよね。
ポンプは水・汚泥を相手にした流体機械。送風機は空気を相手にした同じく流体機械。
掻き寄せ機も汚泥が相手、除塵機はし渣(汚水の中の夾雑物)が相手。
汚水処理の詳細については別の記事で。
水・汚泥を運ぶためには機械的な方法で、エネルギーを水・汚泥に与えて、圧送する必要がありますし、空気を圧縮するのも同様です。
その際に、詰まらないようにするために除塵機やフィルターが必要。
圧縮した空気を反応層に吹き込んで水を綺麗にし、発生した汚泥を効率よく集めるには
掻き寄せ機が必要。
浮いたスカムを除去するにはスカムスキマーが必要。
集めた汚泥を効率よく処理するためには濃縮機で濃縮して、脱水機で脱水する。
汚泥の容積をもっと小さくするには、焼却炉が必要です。
また発生したに臭気をなくすためには脱臭装置が必要。
などなど。下水処理場の花形は機械で間違いなし!
機械職はやっぱメカメカしい
機械(職)のいいところは良くも悪くもメカメカしいところだと思いますw
これは冗談でなく、でっかいポンプとか脱水機を見ると「メカ!!」と感じます。
これはチャンスが有れば下水処理場とかポンプ場の見学にぜひ行って見てみて
ほしいですね。
大きいスクリューポンプとか、まさにメカ!!って感じですので。
あと機械は「目に見える」ってところが重要で、ここが電気との違いだと思います。
だからわかりやすい。逆に言うと、ごまかしが効かないとも言えます。
この辺の話は、下水道展にいくとなるほどなと思う、と思います。
機械メーカはドーンと脱水機の断面モデルとか、ポンプを展示してて、「目に見える」。電気メーカは「クラウドシステムで効率的な~」みたいな感じで、「目に見えない技術」を
紹介してます。
普通の人が見たら、「あっ、そうなんですか(興味なし)」(電気職の愚痴)。
機械の場合は「おお~~こういう動きなのかぁ!!」と感覚的にわかりやすいんです。
機械も制御をしている 【機械的な制御とは】
制御というと電気のイメージがあるかも知れませんが、実は機械的な
制御も下水処理場では多く見られます。
例えば、「ある水槽を溢れないようにする」とした時、
機械的なアプローチでやれば、
「フロートが一定水位を超えたらそのフロートと直結している弁が浮力で開いて水を排出し、停止水位までフロートが沈んだら弁が自重で閉じる」
と考えることができます。機械で完結する制御です。
これを、電気的なアプローチでやれば、
「水位計を付けて一定水位を超えたらポンプ(これは機械ですけど)を起動して、停止水位まで下がったらポンプを止める」
となります。
同じことをしているのに、機械的にやるのと電気的にやるのは全然見た目が
違いますよね。
機械的な制御は見ていてわかりやすいし、楽しいんですよね。
「あ、そろそろ動くな」ってわかりますからね。
まぁ電気が陰で機械が陽みたいなとこあります(電気職の愚痴)。
処理場では効率(維持管理含めた効率)がすべてですから、機械的に効率的に
できることは機械でやるし、電気と機械で合わせた方が効率的な場合はこっちで
やる。
まぁ下水処理場ではほとんど後者ですけど
(機械的に摺動する→摩耗するので、壊れる可能性がある)。
最近の動向
改築更新がメインですね。
この話は別の記事で詳細に書きたいと思いますが、
新設工事より、更新工事のめんどくさいです。
これは間違いなし。
なので、技術力が更新工事では求められますね。
今後は3DCADとか積極的に使うのが技術力の違いとして現れるのでは?
と個人的に思ってます。
最後に ~学生さん向けの話~
話少し変えて、下水道業界の機械職になるには機械学科を卒業するのが有利です。
そして下水道関係の機械職は他の記事でも書いていると思いますが、
・自治体
・関連団体
・建設コンサル
・メーカ会社
自治体にいる機械職は基本的に計画・設計・施工監督の担当です。
大きい自治体には「下水道専門の機械職」がいるんですが、中小自治体だと
専門で機械職を置いているところはほとんどありませんね。
建設コンサルも俗にいう「水コン」に入れば下水道関係の機械の仕事ができると思います。
メーカは下水道やりたくて入ってる人って、正直あんまいなそうw
さて、長々と書きましたが、機械職はこんな感じです。
ポンプの仕組みとか、種類の解説などは今後していくぞ!!(俺頑張れ)
以上
ではまた
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