前回に続き、業界の話です。
下水道に限らず、なにを行うにもお金が必要。
逆に言えば、金の流れを掴めばその業界が見えてくるわけです。
この記事を見れば下水道業界の大まかなお金の流れが理解できるかと思います。
お金の種類を大別すると
下水道のお金は大別すると以下になります。
・国の金
・地方自治体の金
・民間の金
となります。
御存知の通り、下水道とは非常に公共性の高いものでして、基本的には
行政が計画して建設して維持管理するものです。
言い換えれば、民間でやったら基本的に儲からないという類の業界といえます。
日本は平地が少ないこと(山がちな地形)から面的な整備が難しいので、
完全に民間だけで行うのはやはり難しいと思いますね。
故にここ(下水道業界)で言う「お金」は
ほぼほぼ国と地方自治体の予算ということになります。
Googleで「下水道 予算」で検索する
グーグルで「下水道 予算 2015」で検索して、国の2015年の予算を
調べてみると・・・
↓国交省全体では
一般会計で約5兆8千億円くらいですね。
そのうち下水道の予算は
自治体の負担と国の負担がだいたい半々なので、あわせると約1兆円。
これが日本の下水道事業にかかるお金です。
ただし、これはあくまでも「国の補助事業でやっている下水道事業」です。
地方自治体が独自に下水道事業に予算つけていることもありますので、
実際にはこれより多いということになります。
さらにいうと、「汚水処理」という括りにすると、もっともっと増えます。
どういうことかというと、
一般的に言う、
「下水道」は国交省管轄
「浄化槽」「し尿処理」は厚生労働省管轄
「農業集落排水施設」は農林水産省
「漁業集落排水施設」は農林水産省(水産庁)
「コミュニティプラント」は環境省
となりますので、「汚水処理」にはもっと予算がかかっているという事になります。
詳しくは検索してください(サーセン)
縦割り半端ないですね。
「国の補助事業でやっている下水道事業」
さて、
「国の補助事業でやっている下水道事業」これがどのようなものなのかを
説明すると非常にめんどくさい。
というか自分も100%理解しているわけではないので、ここでは簡単に
自分の理解の範囲で説明したいと思います。
すごくざっくり言うと
地方自治体が下水道を整備(計画・建設・更新)するときは国(国交省)がだいたい
半分お金を出してくれるのです。
1億カネがかかるのだったら5000万を国、5000万を地方自治体が用意して整備するということ(補助率にはいろいろありますが、ざっくり半々です)。
なぜ補助してくれるのか・・・とかは本当に話が長くなるので割愛。
これもざっくりいうと、
・公共水域の環境を良くすること、公衆衛生を良くすることは国全体で
進めるべき施策であること
・上記を達成するにはものすごくお金がかかり、自治体の財政的に
厳しいこと
があります。
ですので、下水道事業は国と自治体が中心になって、公的機関や
民間の協力で進めている施策、ということになります。
下水道事業は予算1兆の業界
話を戻すと、
「下水道業界」とは国・地方自治体の1兆円以上のお金を動かす業界です。
これは官→民の流れですので、民民ではもっと大きな規模(GDP)になります。
みなさんも住んでいる自治体の広報誌を読んでみましょう。
下水道事業に関する予算がかなり大きいと気づくと思います。
まぁう○こ流すのってすごいことなんですよ、
ほんとに。
次は業界の構成について書きます。
ではまた。
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