どうも部員Xです。
久しぶりに国交省プレスリリースレビューやっていきたいと思います。ネタ不足という点もありますが、こっち系のニュース(下水道とか、建設業とかの)にアンテナ伸ばせてない自分を戒めるためにも定期的にやっていこうと思ってます。
ものすごくマニアックなことをネタに記事にしていくんですが(当然ながら読み手を無視する)、一応業界関係者ですので、それなりに知識がある人間目線でのレビューをしていきますので、お付き合いよろしくおねがいしまーす。
今回取り上げるネタは2本です。
・「企業等の東京一極集中に関する懇談会」のとりまとめを公表します
国土交通省は、新型コロナウイルス感染症拡大による影響や諸外国との比較等も踏まえつつ、企業活動や働き方等をはじめ多角的な観点から、東京一極集中の要因と是正に向けた取組の方向性について検討を行い、結果をとりまとめましたので公表します。
・「特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案」(流域治水関連法案)を閣議決定
~流域全体を俯瞰し、あらゆる関係者が協働する「流域治水」を実現します!~
気候変動の影響による降雨量の増加等に対応するため、流域全体を俯瞰し、あらゆる関係者が協働して取り組む「流域治水」の実現を図る「特定都市河川浸水被害 対策法等の一部を改正する法律案」(流域治水関連法案)が、本日、閣議決定されました。
この国交省プレスリリースレビューは、国交省プレスリリースのHPで私が興味のある内容のものをピックアップしてやってます。
なので、基本的には、下水道系のネタを拾ってます。
ではやっていきます( ー`дー´)キリッ
【テンプレ】国土交通省の予算について簡単に
とその前に・・・
以下前回の記事からの転記
にしても、意外と国交省の報道発表資料って毎日けっこうな量が出てるんですねぇ。国交省って、ホント担当範囲が広いです。ってことで気になったので、省別の予算をググってみました。
https://www.arimura.tv/wp-content/uploads/2019/03/2d7eed77b3e31dddb8a22d1e49852d25.pdf
国会議員の有村治子さんのサイトから引用。
というか、「省別予算」とかでググっても良い資料出てこないですねぇ。
厚労省の予算が大きいのは納得。財務省の予算がすごい大きいですが、これは国債費ですね。
その次に総務省・・・総務省ってこんなに予算持ってたっけ・・・?と少し調べたら地方交付税交付金は総務省予算なんですね。ならこれくらいの金額でも納得。
http://www.soumu.go.jp/main_content/000609999.pdf
その次が国交省ですね。
以上前回の記事からの転記
※ちなみに、災害復旧関係の予算はまた別にあるので、実際国交省が管轄する予算はもっと大きいですね。災害の被害を抑えるためにも、普段からもっと予算付けたほうがいいんですけどね~。
「企業等の東京一極集中に関する懇談会」のとりまとめを公表します について
国土交通省は、新型コロナウイルス感染症拡大による影響や諸外国との比較等も踏まえつつ、企業活動や働き方等をはじめ多角的な観点から、東京一極集中の要因と是正に向けた取組の方向性について検討を行い、結果をとりまとめましたので公表します。
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001384141.pdf
東京圏への過度な集中の是正に向けた取組が進められている一方で、企業等の動向が大きく変化するような状況にはなっていない。そこで、「企業等の東京一極集中に関する懇談会」では、企業活動や働き方を含む多角的な観点から諸外国と比較しつつ、企業等の「東京一極集中」の要因等について議論を行う。
東京一極集中を問題として認識しており、それを是正するために国交省としてなにができるのか、を検討している懇談会ですね。
座長はこの手の話で有名な増田寛也さんですね。都知事選などにも立候補していた方です。
で、とりまとめの結論なんですが(要因の分析などを行った結果の、方向性)・・・
〇取組の方向性
・東京都心の仕事を地方や東京郊外で行うテレワークの普及
・修学・就職等に伴う若者の東京圏への集中の是正
・地方で学び・働くことができる環境の整備
・働き方・暮らし方における都市と地方のベストミックスの実現
・ライフステージに応じた地方居住も選択可能となるような環境整備
(我が国の成長を牽引すべき東京の国際競争力の維持・向上とのバランス等にも留意)
え~結論が出てないですね・・・w
懇談会だから、「要因分析と問題点の洗い出し、そしてそれを是正するためにどうすればいいと思うのか」というところで止まってますね。
具体的な話は資料に載ってませんでした。
具体的な話ってのは、
どの法律を改正すれば良いのか、とか、どういう補助金やインセンティブを与えれば良いのか、どの業界団体をぶっ潰せばいいのかとか、そういう話です。
あと、大学や企業が東京に集中しにくくなる施策も大事だと思うんですけど、私は官公庁(国の機関)を外に移すってのもやった方が良いと思いますね。そのことに全く言及なし。
どの族議員にアプローチするとかは流石に資料に残せないと思うんですが、上で上げたような具体的な話はできると思うんですけどね。
まぁ私は「東京大震災」(それこそ、シン・ゴジラで描写されていたような首都機能ボロボロになる状態)でも起きない限りは、東京一極集中は既存のアプローチでは打ち破れない気がします。
で、私自身はですね・・・
東京で勤務したいですねw
なぜなら、地域手当が高いからw
テレワークもできるようになりましたし、実家に近いところに住むこともできますから。
あ、東京一極集中の是正には大賛成ですw
・・・あれ、地域手当を今の状況と真逆にすれば・・・官公庁が分散しそうな気がしてきました。これ、名案かも。あと、官公庁の建て替えには補助金や出ないとか、そういうのも良いかもしれません。まぁこの辺を達成するには国会運営の改革とか、ハンコ文化をぶっ壊すとかかなりハードル高いので・・・無理だろうなぁ・・・。
※地域手当=公務員の手当で、東京や大阪のような大都市は多く出て、地方は出ないもの。年収に結構な差が付きます。
「特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案」(流域治水関連法案)を閣議決定 ~流域全体を俯瞰し、あらゆる関係者が協働する「流域治水」を実現します!~
気候変動の影響による降雨量の増加等に対応するため、流域全体を俯瞰し、あらゆる関係者が協働して取り組む「流域治水」の実現を図る「特定都市河川浸水被害 対策法等の一部を改正する法律案」(流域治水関連法案)が、本日、閣議決定されました。
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001385277.pdf
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001385278.pdf
リンク先の資料読んでて思うんですけど、官僚さんって、よくこんな資料たくさん作れるよなぁ・・・ってホント関心すると同時に、こんなもの作らせるために東大出た人をこき使っていると考えると・・・少し頭脳の無駄遣いというか・・・w 手を動かしているのはノンキャリさんかもしれないですけど・・・。あ、コンサルが作ってるかもしれませんね、もしかすると。
さて、内容についてざっと触れておくと、「流域治水関連法」を作っていくぞ~という閣議決定をしたってことですね。閣議決定したということは、国会に諮られれば成立する(与党の内閣で決定したことであり、内閣法制局のチェックも済んでいる)と。
で、流域治水関連法「案」ですが、これ、今までやってこなかったの・・・?という印象です。
ざっくりいうと、みんなで協力して治水対策をせよ!!ってことになります。
え・・・今そのレベルの話なんですか・・・w
いや笑えないですよこれは。
で、ちょっと私はフカヨミするとですね。この法律案にある、「流域水害対策計画」をしっかり整えないと補助金ださねーぞ!!というZ省の圧力があるのでは・・・と想像妄想憶測。
あと、気になるには「氾濫をできるだけ防ぐための対策 」にある、「下水道の樋門等の操作ルールの策定を義務付け」が気になりますなぁ・・・。
これ、先日ネタにした武蔵小杉の浸水の話とか、 昨年の台風19号のときに問題になった樋門や排水ポンプ場の操作についての話、一昨年の佐賀大雨災害のときの話とめちゃんこ関係ある話。
この部分の条文は下記です。
二 公共下水道管理者、流域下水道管理者及び都市下水路管理者は、その管理する排水施設を補完する施設のうち、河川等から当該排水施設への逆流を防止するために設けられる樋門又は樋管(操作を伴うものに限る。以下「操作施設」という。)については、洪水等の発生時における当該操作施設の操作に従事する者の安全の確保が図られるように配慮された操作規則を定めなければならないものとすること。
(第七条の二及び第三十一条関係)
んで、この部分の案文・理由は下記
第七条の二
公共下水道管理者は、その管理する排水施設を補完する施設のうち、河川その他の公共の水
域又は海域から当該排水施設への逆流を防止するために設けられる樋門又は樋管(操作を伴うものに限る。次項において「操作施設」という。)については、国土交通省令で定めるところにより、操作規則を定めなければならない。
2 前項の操作規則は、洪水、津波又は高潮の発生時における操作施設の操作に従事する者の安全の確保が図られるように配慮されたものでなければならない。
とあります。要するに、今までにもあった操作規則をもっとちゃんと作らせ守らせるぞ!、というように読めます。
操作規則通りに操作する・・・当たり前って思うかもしれないんですが、これ、果たしてできるでしょうか。だって、樋門樋管閉じるのって、内水氾濫させるってことですからね。それができるのでしょうか。
逆読みすると、「規則通りに操作することをちゃんと証明する証拠」を残さないと正直怖いですよね。
更に読むと、「操作した根拠を残すシステム」は補助金を利用して整備しても良いと受け取れますし、安全に操作させるシステムも整備する必要がある、とも取れます。今までは正直、アナログな記録しかなかったんですが、流域全体で水位や降雨状況などをデジタルデータ(客観的根拠に基づくデータ)共有すれば、冤罪まがいのゴタゴタは防げるかもしれません。
※佐賀大雨災害では、ルール通りに排水ポンプを止めた(ゲートを閉めたかは非確認)結果、内水氾濫。
※現場まで操作しに行った作業員が何らかの理由で操作できないで、浸水被害が発生したことがある京都市、H25台風18号のときの大雨。市から委託業者へ損害賠償請求してます。まだ決着してない模様。
https://www.city.kyoto.lg.jp/gyozai/cmsfiles/contents/0000164/164235/taifu18-sokatu.pdf
https://www2.city.kyoto.lg.jp/shikai/img/iinkai/machi/R02/data/030121kensetsu1.pdf
結局、水防は行政が精一杯頑張っても限界がある、これが私の意見です。
法律整備を行うことで、限界を高めることはできると思いますので、今回の改正案は良い改正になるはずです。
なので、個人で水害に合わないためには・・・について書いた記事は下記です。ここまで読んでくれたツワモノの方はぜひリンク先の記事もよろしくおねがいしますw
今回は以上です。
ではまた。
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