どうも部員Xです。
人材育成、とくに新人教育についてこの時期よく考えるんですが、ふと「鍛造と鋳造」という金属成型方法と人材育成(キャリアアップ)の考え方って近いのでは? と一考したので勢いで記事にしていきたいと思います。
「褒めて伸ばす」or「叱って伸ばす」論とも似ているかもしれません。
今回の記事で言いたいことは
・日本型の人材育成(ゼネラリスト偏重)は鋳造型である
・スペシャリストを育てるには鍛造型人材育成だが、そもそもの日本のいろいろな構造がスペシャリストを育てる状況になってない
これです。
例によって、私の想像妄想憶測垂れ流し系内心晒し出し記事ですので、その点ご了承よろしくお願いします・・・w
鋳造と鍛造 の簡単な説明
まずは鋳造と鍛造の説明を簡単にやろうと思います。それを説明しないと私の言いたいことがわからないかと思いますので・・・w
鋳造と鍛造はどちらも金属の成形方法で、特徴とかの細かい説明は下記リンクを見ていただければいいと思います。
ざっくりいうと、
鋳造は溶かした金属を「型に流し込む」成型方法
鍛造は固形の金属を「型に嵌め込む」成型方法
です。
エンジン部品、タイヤホイールなどは、鋳造と鍛造の違う成型方法で作り出せる典型的な工業製品ですね。
一般的には同じ部品(例えばタイヤホイールなど)なら単純な機械的特性(強度、重さなど)は鍛造で作ったものの方が優れているんですが、工業製品として見た場合は鋳造にも十分優れた面(低コスト、デザイン性)がある、と言われています。
・・・ここまで書いたら、勘のいい人は私が何をいいたいのかすでに分かる人もいるはず・・・ww
ということで、説明していきます。
【THE日本】ゼネラリストを大量生産=鋳造型人材育成
さて、鋳造のメリット・デメリットを整理しますと、
鋳造とは
鋳造とは、熱を加えて液体化した金属を型に流し込み、冷やして固めることで成型する金属加工方法です。
鋳造のメリット
鍛造に比べて安価に複雑な形状の部品を量産できる鋳造のデメリット
鍛造に比べて強度が低く、強度を上げるには厚くする必要がある引用:https://minsaku.com/category01/post308/
となってます。
これ、ゼネラリスト偏重の日本型企業の人材育成方法とそっくりって思いません?
「複雑な形状ができる」
⇒様々な業務を経験させる、設計、現場、開発、そして営業もやる、みたいな。
「安価に」「量産できる」
⇒新卒一括採用で・・・
と、年功序列でゼネラリストを作り上げる人材育成に重きを置く日本の労働環境は鋳造型と言えるのでは、と。
デメリットもまんまゼネラリストの特徴である、
「強度が低い」
⇒広く浅く物事を知っているが専門の細かいことはわからない典型的なゼネラリスト。いろいろ部署を転々と短いサイクルで異動させられて、20年経ってもペーペーと変わらない仕事をしていたりする(それでも給料は高いw)
「強度を上げるには厚くする必要」
⇒ゼネラリストを多く揃えること。つまり、代わりがいくらでもいる体制を作ること。使えないことが判明しても正社員の解雇規制が厳しすぎてクビにできない状況になること。
※タイヤホイールのあるあるとして、「アルミ」に換えれば軽くなるからオシャレな鋳造ホイールにしたら結果として鉄チンホイールの方が軽かった(鉄の方がアルミより機械的強度が高い)、という話があります。
いやマジ、そっくりじゃないですかコレ。
鋳造って、「低コストで複雑な形状(=強度が低い)を大量生産できる」
これ、まんま日本の人材育成だなと思った、それが今回の記事で一番言いたいことですね。
ちなみに、鋳造型の人材育成が一方的に悪いなんて全然思ってませんw
鋳造型は「今までの」(といってももう失われた20年どころの話では無いんですけども)日本の経済状況にはとてもマッチしてたんですよね。経済全体が成長しているフェーズでは、鋳造型の方が稼ぎやすいと思うのです。
新卒一括採用で取ってきた若者をドロドロに溶かしては型に流し込め、とりあえず成型。ある程度たったらまたドロドロに溶かして(異動させて)違う型に流し込み・・・を繰り返すことでゼネラリストを量産。型が合わなかったら違う型にハマるチャンスが有り、クビにならない。「仕事に人生をかける」人材でことで世の中を回してきたと。
【スペシャリスト】これからは鍛造型人材育成の時代か?
で、今の世で、盛んに言われていることがジョブ型雇用であり、スペシャリスト偏重型の人材育成です。
私、個人的には、未だにどっち(スペシャリストとゼネラリスト)のほうがいいのかわかっておりません。というか、年功序列(ゼネラリスト型)もいいなぁと思うし、かといって同一労働同一賃金(スペシャリスト型)の方がいいかもなぁとも思っている、どっちつかず状態。
※↓こんな記事も過去に書いている
ここで、鍛造のメリット・デメリットをちょっと確認してみましょう(いきなりですけどw)
鍛造(たんぞう)のメリット・デメリット
鍛造のメリットは上記にもある通り、叩くことによって内部の結晶が整えられ気泡などの内部欠陥を発生させないため、大変強度に優れている点です。こちらも、鋳造同様に金型を用いることによって大量生産することができるためコスト削減が見込めるでしょう。
鍛造のデメリットは、鋳造に比べて成形の時間がかかる点です。強度の優れた製品を作ることができる一方で、加工する際に大きな圧力を要し、時間がかかってしまいます。また、鋳造のような複雑な形状のものを何でも作ることはできません。熱間鍛造であれば、ある程度の複雑な形状も作ることが可能ですが鋳造には及びません。
引用:https://i-k-i.jp/19610/2#:~:text=%E9%8D%9B%E9%80%A0%EF%BC%88%E3%81%9F%E3%82%93%E3%81%9E%E3%81%86%EF%BC%89%E3%81%AE%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%88&text=%E3%81%93%E3%81%A1%E3%82%89%E3%82%82%E3%80%81%E9%8B%B3%E9%80%A0%E5%90%8C%E6%A7%98%E3%81%AB,%E3%81%8C%E3%81%8B%E3%81%8B%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
鍛造は「鍛える」の文字通り、型に叩き込んで成型していくわけで、複雑な形状ができません。
これを人材育成に当てはめる考えると、一つの業務をひたすらやらせまくってスペシャリストを育成することです。
新卒を硬いまま型に押し込むわけで、この段階で型に嵌まらない人材は弾かれますので、新卒採用の段階からスペシャリストを育てるつもりの採用をする必要があります。これって結構難しいんですよね。だって「採用した学生が(ほしい職種、育てたい職種の)スペシャリストに向いているか」ってわからないので。
インターンシップとか、大学(及び大学までの)のカリキュラムで、ある程度スペシャリストへの道筋ができていればいいんですけど、日本の大学ってゼネラリスト型人材を育てる前提のカリキュラムになっている(これはそもそも大学が多すぎるというか、大卒じゃないとそもそも給与格差がありまくる、という問題が当然裏にはあります)じゃないですか。
スペシャリストを育てたいけど新卒一括ガチャで全然向いてない人材を採用してしまうと、簡単に解雇できないので、日本の労働環境(就活環境)では新卒新人をスペシャリストに育てるというのはかなりリスクが有ると言えます。だから、ゼネラリスト偏重なんだと思いますね。
スペシャリストを育てるには、そもそも大学のカリキュラムをスペシャリスト型にして・・・いやもっと前段階である、中学くらいから「この子は何に向いているのかな?」を判別するシステムを構築していく必要がありそうですね・・・これ、すっごく難しい気がする。
この辺の話はぜひ失敗小僧。さんに語って欲しいところでありますね。たぶん、ゼネラリスト推しだと思いますけど、失敗小僧。さんは。
私の想像妄想憶測では今は過渡期で、徐々にスペシャリスト型になっていくんじゃなかろうかと思うんですが、、、少なくとも私の勤め先ではあと25年は今の環境のまま行きそうだなぁと思いますw
おわりに
すみません書きたいことを構成とか無視して書きなぐるのがこのブログなんですが、さすがにもう少し読む人のこと考えるべきなのかと思ってきましたw
今回の記事で言いたいことは冒頭に書いたように、
・日本型の人材育成(ゼネラリスト偏重)は鋳造型である
・スペシャリストを育てるには鍛造型人材育成だが、そもそもの日本のいろいろな構造がスペシャリストを育てる状況になってない
ってことです。鋳造型、鍛造型、どっちが良い悪いではないですね。
ジョブ型雇用!!とか言うなら、スペシャリストを育成する(鍛造型でいく)環境を整える必要があり、それができないならゼネラリスト育成(鋳造型)でもいいんじゃないかと。でも、世界の中の日本。世界の国々と競争していくには・・・という話ですね。
ということで、今回の記事は以上です。
ではまた。
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