どうも部員Xです。
国交省関係のニュースレビュー(第6回)やっていこうと思います。Yahoo!ニュースで「下水道」で検索しても取り上げたくなるような下水道関係のニュースが全然ありません、相変わらず・・・w
まあ、下水道って重ね重ね言ってますけど、基本的には注目されないほうがイイ、日陰の存在でイイと思ってます。ニュースになるときはたいてい、工事で事故が起きた、とかそんな話ですから。
さて
今回は下記の国土交通省プレスリリースのニュースを取り扱いたいと思います。おそらく、日本でも私くらいでしょう、国交省プレスリリースをブログ記事にしているのは・・・w
・令和2年度(第13回)「国土交通大臣賞(循環のみち下水道賞)」の募集を開始
~創意工夫のある優れた取組を表彰し、全国へ発信します~
・大規模洪水からの「逃げ遅れゼロ」にむけて!!
~マイ・タイムライン実践ポイントブック検討会(第2回)をWEB会議で開催~
私が下水道畑の人間なので、とりあげるネタは下水道や河川などハード系が中心になります。でも今回はソフト系の記事を取り上げてみようと思います。まぁビビビッっとくるプレスリリースが少なかったってのもありますけどね。
以下前回の記事からの転記
にしても、意外と国交省の報道発表資料って毎日けっこうな量が出てるんですねぇ。国交省って、ホント担当範囲が広いです。ってことで気になったので、省別の予算をググってみました。
https://www.arimura.tv/wp-content/uploads/2019/03/2d7eed77b3e31dddb8a22d1e49852d25.pdf
国会議員の有村治子さんのサイトから引用。
というか、「省別予算」とかでググっても良い資料出てこないですねぇ。
厚労省の予算が大きいのは納得。財務省の予算がすごい大きいですが、これは国債費ですね。
その次に総務省・・・総務省ってこんなに予算持ってたっけ・・・?と少し調べたら地方交付税交付金は総務省予算なんですね。ならこれくらいの金額でも納得。
http://www.soumu.go.jp/main_content/000609999.pdf
その次が国交省ですね。
以上前回の記事からの転記
※ちなみに、災害復旧関係の予算はまた別にあるので、実際国交省が管轄する予算はもっと大きいですね。災害の被害を抑えるためにも、普段からもっと予算付けたほうがいいんですけどね~。
ではやっていくぞ!!
令和2年度(第13回)「国土交通大臣賞(循環のみち下水道賞)」の募集を開始 ~創意工夫のある優れた取組を表彰し、全国へ発信します~
国土交通省では、「循環のみち下水道」の実現に寄与する優れた取組の全国展開を図るため、本日から6月26 日まで、令和2年度(第13回)「国土交通大臣賞(循環のみち下水道賞)」の募集を開始します。
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001343710.pdf
これは日陰者である下水道をアピールする取組みですね。
部門は四つあって、
・イノベーション部門 【現場における創意工夫や新技術の活用等の取組】
・防災・減災部門 【災害対策におけるソフト・ハード面の取組】
・アセットマネジメント部門 【施設の長寿命化や計画的な維持修繕、事業運営、人材育成に貢献する取組】
・広報・教育部門 【効果的な広報活動や環境・防災教育等の取組】
とのこと。過去受賞した取り組みなどはこのページにありますね。うーん受賞した団体などをみると、やっぱ下水道に力を入れている地方自治体が多いですね。大都市も多いんですけど、中小規模の自治体も下水道に力を入れてるところが多いです(業界人が見ればわかる)。
個人的にはこのような「賞」を用意することはすごく大事だと思ってて、補助金貰いやすくなるとか、実証実験など先進的な事業ができるとか、そういうプラスの面もありますし、自治体職員のやる気にもつながると思うんですよね。
実証事業をやる→この賞のネタになる→次の年の事業に繋がる
こんな気がします。
下水道って、「国」はハードを持っていないので、現場がないわけです。なので、イノベーションは地方自治体やメーカの現場から起こるってことです。そういう活力にインセンティブを与える取り組みは大事ですよね。
ちなみに、表彰式は国土交通大臣、そして水の天使も来ている模様。
下水道業界とミス日本の関係については下記記事に書いてます。
大規模洪水からの「逃げ遅れゼロ」にむけて!! ~マイ・タイムライン実践ポイントブック検討会(第2回)をWEB会議で開催~
国土交通省では、住民一人ひとりが水害リスクを「我がこと化」することにより自らの避難行動を促すため、マイ・タイムラインを普及する取組を進めております。
今回、その支援策の一つとして、洪水発生時における避難の実効性を高める取組の要点や継続的な実施方法の手がかりなどを取りまとめた「マイ・タイムライン実践ポイントブック」を作成することとしました。
同ポイントブックの検討を行うため、マイ・タイムライン実践ポイントブック検討会(第2回)を開催します。
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001343684.pdf
これは水害時の避難行動を個人個人でタイムライン化する取り組みですね。ここ最近の水害でも「非難しない人」が問題になってます。これは正常化バイアスによるものもあると思いますが、みなの認識が甘いということだと私は思っています。
水害被害を防ぐには、河川整備やポンプ場整備などのハード対策と、避難行動計画(タイムライン)などのソフト対策があります。ハードでやれることは当然物理的な限界(と財政的な問題)があり、それだけでは被害を最小化できません。そのため、ソフト対策が日本などのある程度ハード整備が進んだ国では重要になってきます。
んで、この検討委員会はマスコミの力を使って、マイ・タイムラインを普及させるというアプローチをとっているようです。なので、委員に日本テレビ・鈴江奈々さんやお天気キャスターとして有名な山神明理さん入れているようです。またデザイン関係の委員もいますね。
https://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/timeline/pdf/dai01kai_siryou.pdf
https://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/timeline/pdf/dai01kai_gijiyoshi.pdf
これもやり方としては正しいと思います。
日本人(いや人間か?)は「やった方が確実に合理的なのに、めんどくさいことはやらない」ってところがすごくあると思ってて、それこそ水害対策のハード整備とかは建設国債ガンガンだしてやればいいのに、進捗がすっごく遅かったりして被害が出てやっと少し危機感を持つ感じがすごくするんですよね。
英語などの勉強も「絶対に」って言ってもいいほど学習しておけば得なのに、日本人は勉強しないじゃないですかw
それと同じで、水害などの目先の危機が想像しにくい事象(自分には起こらないだろう、川から離れているし大丈夫だろうという正常性バイアス)についての対策(タイムラインの作成)を自発的に行うことは難しいわけです。
国交省や自治体が広報などを行ってもタイムライン?なにそれ?が普通です。なので、TVや新聞などの既存メディアやYouTubeなどの新しい発信メディアを使って、普及させようというアイデアだと思います。
なのでこの委員会は、マスメディアを使って広報するにはどのような手法を用いるのが良いのか、それを検討するということですね(と、私は思ってますw第一回の資料からは読み取れないですけどw)
たとえば、タイムラインの必要性を普及する活動には国から補助金出すとか、もしくは県で専用の組織を立ち上げて、市町村を回る活動をするとかの王道なやり方もいいし、有名人を使って広報活動するとかもいいですよね。
テレワークによる在宅勤務も今後は増えるでしょうし、どこで災害が起こるか(水害だけでなく、地震なども含め)を考えて、マイ・タイムラインを考える・・・そういう目線も考えなければ・・・。
おわりに
国交省ニュースレビューやっていきました。まぁ内容はほぼ下水道ニュースなんですけど。
今回のニュースレビューでは、ハード的な技術の話ではなく、ソフト的な面をピックアップしてみました。自分でもちょっと新鮮ですw
下水道畑の技術屋はぶっちゃけ、ソフト系に少し疎いと言うか、成果が目に見えないことも多い(ガイドラインを策定しました!!・・・で、どう改善されたの?ガイドラインを作った定量的な効果は・・・?とかソフト系は成果が見えにくい)ので、正直私もやりたくはないんです。
でも、必要。ソフト対策が面的に普及して、自治体、省庁が横断的、機能的な動きができれば・・・水害での死者は劇的に減ると思ってます。
本当は、「強制力」についても考えなければいけませんよね。「ここに住んではいけません」「今すぐに避難してください(命令)」というように、危険を回避するための強制力が現状の日本では一般的ではないわけで、行政側としてはなかなか歯痒いこともあると思います。自由を求めると強制できないわけですが、それよりも人命優先ってのを住民側も理解しないとですね(新型コロナウイルスの問題も、「自粛」で乗り切っちゃったからなぁ・・・)。
ってことで今回は以上です。
ではまた!
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